ファイル単位でリストア:SSR (Self Service Restore)

 Nutanix Advent Calendar 2017に参加しています。2017年12月2日の記事です。

ぽんこつエンジニアが大事なことを忘れないようにまとめたライトなブログです。

仮想環境を運用しているとこんなことないでしょうか?

・うっかり利用者がファイルを消してしまった。
・設定ファイルを更新したらサービスに不具合が出た。

こういったトラブルで仮想環境の管理者はユーザやサーバーの利用者・管理者からリストアをお願いされることがあると思います。

仮想環境ではバックアップが高速に取得できるストレージスナップショットを活用することも多いです。ストレージベースのスナップショットのリストア単位はLUNや仮想マシン単位となります。
スナップショットからのリストアは一般的には以下のような対応をします。
  1. 仮想マシンイメージを別の仮想マシンとしてリストア
  2. リストアした仮想マシンをメンテナンス用のネットワークに接続して起動
  3. IPアドレスやホスト名を変更して通信できるようにする。
  4. 必要なファイルを抽出して元の仮想マシンにコピー
さらっとお願いされても、かける時間を考えるとため息が出ますよね。

上記のような作業を避けるために、ユーザ自身でファイル復元が出来るように対策を取ることがあります。
ファイルサーバーではWindows ServerのOS標準機能であるVolume Shadow Serviceなどを使用したりします。また、アプリケーションサーバやデータベースに対応するバックアップソフトを入れることもあります。ただ、バックアップソフトもサーバ用となると結構な費用がかかってしまうんですよね。

そんなわけで、私もよく「楽にファイルリストア出来るような提案がほしい」と相談を受けます。

実は、Nutanixを使うと追加でソフトウェアを導入することなく実現できます。
最近この機能を紹介すると驚かれたり、喜ばれたりすることがよくあります。

この記事を紹介していだければ、仮想マシンの管理者でリストアすることができるようになりますよ。

SSRとは
Nutanixは「サーバ」の管理者が簡単にファイルを復元できる機能を持っています。
この機能は、Self Service Restore (SSR) と呼ばれる機能です。
2017年頭にリリースされたAOS5.0で実装さました。

SSRを利用すると、
 Nutanixのスナップショットから任意のファイルだけを復元することができます。
 リストアの操作は簡単でサーバの管理者がサーバにログインして復元できます。
まさしく、セルフサービスな機能ですね。

復元方法
実際にどのような形で復元できるのか紹介します。

・リストア対象のサーバにログイン
 RDPなどでサーバに管理者アカウントでログインします。

・SSRの起動
    デスクトップに「Nutanix SSR」というアイコンがあります。
    クリックするとSSR画面が起動します。
    サーバの管理者ID・パスワードでログインします。


・SSRポータルでの操作
    過去のスナップショットデータが一覧で表示されます。
    その中からリストアしたいタイミングのスナップショットを選択します。



そのタイミングのボリュームが表示されます。 Dドライブにリストアしたいファイルがある場合、Dドライブを選択、「Mount」します。



・ファイルリストア
    マイコンピュータを開くと先ほど選択したドライブのスナップショットがEドライブとしてマウントされています。
    この中から必要なファイルを復元できます。


元の状態

スナップショットをマウントした状態



マウントしたボリュームから必要なファイルを元のドライブにコピーすれば復元できます。

・マウントしたスナップショットをアンマウント
 ファイル復元後、SSRの管理画面からスナップショットを「unmount」します。

この操作だったら、「サーバ」の管理者権限を持つ人自身で復元できますよね。

SSRが使える条件
・Acroporisエディション:ProもしくはUltimateライセンス
・Hyperviser:AHVもしくはvSphere
・OSバージョン:Windows7以降、Windows Server 2008R2以降 64bitOSのみ
        ※Linuxには未対応
・Nutanix Guest Tool(NGT)が対象の仮想マシンにインストールされていること
・NGT、SSR機能が有効になっていること(Prismから有効にします。)
・NGTとCVMがポート「2074」で通信できること
・ディスクタイプがIDE/SCSIであること
・ベーシックディスクであること
・NGTを有効化するため仮想マシンに IDE CDROM Driveをマウントしておくこと
・Nutanixスナップショットをスケジュール設定で取得していること
※NGTは仮想マシンにインストールして使用するNutanixの管理モジュールです。

詳細は以下のサイトも参考にしてください。
REQUIREMENTS AND LIMITATIONS OF SELF-SERVICE RESTORE

SSRのための事前設定については次回以降で紹介します。

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Nutanix Advent Calendar 2017
昨日の記事は@shadowhatさんでした。
明日も再び@shadowhatさんです。よろしくです!

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